「8分間で、グループで「忙しくても参加したい場」と「暇でも参加したくない場」の
要素を、それぞれ20個ずつ、計40個あげること」
このテーマに、ある日、エンパブリックの「場づくり」ワークショップにて、参加者が
6人ずつの2チームに分かれて取り組んだところ、Aチームから出た意見は15個。
ところが、Bチームは40個を軽々とクリアし、70個の要素を挙げました。
「こんなにも違いが出るものなんだ・・・」とは参加者の声。
AとBは参加者をランダムに二つに分けたもの。参加者の能力に
違いはありません。
では、何が違っていたのか?
場の運営者(ファシリテーター)の運営方法、つまり、場づくりのスキルに差があったのです。
Aチームは運営者が必死に仕切り、引っ張っていくのですが、参加者は受身の状態。
しかし、Bチームは運営者が参加者に思い切って任せ、自発的な協力関係を生み出したことによって、成果をあげることができたのです。
同じ能力のメンバーが集まっても、場づくりスキルの違いにより、チームのパフォーマンスには大きな差が出てきます。
あなたの参加している会議。30分、1時間と行っても、意見が出ない、集中していない、議論をしても行き詰ってばかりになっていませんか?
同じテーマ、同じメンバー、同じ時間であっても、会議から出る意見の数と質、議論の深まりは「場づくり」によって変えることができます。
「場づくり」によって、今いるメンバーが成果を出したら、その場には、意欲の高い人が自分を活かしてもらえる可能性を感じて集まります。そして、パフォーマンスは更に向上します。
この現場のパフォーマンスの好循環を生み出すのが、「場づくり」の最大の価値です。
パフォーマンスがあがらない時、期待したほどの成果があがらない時、右肩下がりな状況になっている時、つい、「新しい人を入れたら/人が集まったら、なんとかなるのではないか」と考えてしまいます。
しかし、仕事で、社会活動で、毎日の生活の中で、「自分じゃ、このメンバーじゃ、求める成果が出ない」とあきらめる前に、やるべきことがあります。
採用、リクルートの費用を莫大にかけて新しい人材を採用しても、職場で「場づくり」ができていなければ、仕事仲間になれず、辞めていきます。
いくら優秀な人材がいても、「場づくり」がなければ、その人材から意見と意欲を引き出すことができず、協力もせず、バラバラとなった中で力を発揮することはできません。
必死に広告費をかけたり、外部の力を借りたり、色々なアピールをしたりして、人を集めたとしても、「場づくり」がなければ、せっかく来た人も去っていき、二度と来ません。
なぜ、費用をかけて人を集めているのに、うまくいかないのか、成果に結びつかないのだろうかと悩んだことはないでしょうか。その現場には「場づくり」の力が必要なのです。
生活や仕事をする上で前提としている価値観は多様化し、同じ職場・地域だからといって自然に共有することはできません。
例えば職場で。ある人が同じ会社で二十年働いています。しかし、同じ職場に5年くらい働けば十分と思う新卒、年上だが業界は初めての転職者、1ヶ月の派遣社員など、全く異なる前提条件の人が存在します。かつて会社に入る時、「同期、同僚とは一生の付き合いだ」と腹を括れた時代のように、前提条件の共有、関係の継続への信頼からコミュニティが自然と生まれることは、もはやありえません。
前提条件が違う人が集う。21世紀においては、社会・経済のすべての現場でそれが当然のことになっています。
その状況においては、「正しさにこだわり、自分で判断し、問題を起さないように行動する」20世紀のリーダー像は通用しません。
「周囲の環境変化に敏感に、周りの意見を取り入れながら、今、何が正しいのかを探し続け、絶えず問い続け、現場で起きた問題に、仲間と向き合い、そこから学ぼうとする」人材こそがリーダーとして求められています。
前提条件が違う人が集った時、その人たちの持つ可能性を見つけ出し、共通項を抽出しつつ、違いを認め合い、その上で成果に向かって協力関係をつくる。その「場づくり」の力がなければ、もはやグループやコミュニティをリーダーとして束ねることはできないのです。
株式会社エンパブリックでは、「場づくり」支援のためのさまざまなサービスを提供しています。講演・研修・講座など、その現場に合った形態をご提案いたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。